大谷環です。
ぼくたちがギターを始めたころには、
いま考えればとんでもない話がまかり通っていました。
それも随分長いあいだ。
一番印象に残っているのは
「左指先にタコができるぐらい練習しよう!」という話。
けっこうまことしやかに言われてました。
今回はちょっと左手の話。
左指は弦を押さえるという仕事をしていますが、
それと同時に弦をセンスしています。
何の弦を押さえているのか、
その弦の表面の触り心地、太さ、張力、温度、滑らかさとか
さまざまな情報を瞬時に掴んで、次に来るアクションにそなえているわけです。
なかでも一番大事なのがそれぞれの指がどんな圧力で
弦と接しているかということなのですが、
力んでいるとセンスが落ちて情報が混乱してしまいます。
たとえば、やたらに1指に力が入っていて
他の指に力が分散されていないような状況であれば、
適切な押弦はもちろん、動作全体は不自由になるし、疲れも早くなるでしょう。
一生懸命押さえること自体がセンスの発揮を妨げてしまうことになるわけです。
左手は5本(4本ではない)の指の力のバランスで操作することが
なにをおいても肝心ですが、弦へのセンスが悪くなると、
これがわからなくなってしまうのです。
だからセンサーである指先にタコができるぐらい練習することは、
間違った方向なのです。
セゴビアは「ギターと私をわけているのは指の皮一枚だ」と言ってました。
名言ですね。
アンドレス・セゴビアの左手(リナーレスのセゴビア記念館にて撮影)
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